お中元やお歳暮、訪問時の手土産は経費にできるのか。贈答のシーズンになると多くの事業者が迷うテーマです。
結論からお伝えすると、取引先など事業に関係する相手へ贈った場合は、交際費として経費にできます。判断のポイントは、相手が事業に関係する人であること、金額や内容が社会通念上相当な範囲であること、誰に・いつ・何を贈ったかを記録に残してあることの3つです。この記事では、贈答品のパターン別に経費になる・ならないの線引きを整理します。
取引先へのお中元・お歳暮は交際費にできる
日頃の取引や付き合いのお礼として贈るお中元は、相手との関係づくりにかかる費用として交際費に含められます。お歳暮・お年賀など、季節の挨拶として贈るものも同じ考え方です。
大切なのは「誰に贈ったか」がわかるようにしておくことです。贈答先リスト(取引先名・贈った日付・金額・品物)を残し、領収書・配送伝票・カタログのコピーもあわせて保管しておくと安心です。
訪問時の手土産も交際費にできる
商談や打ち合わせのために取引先を訪問する際の手土産(菓子折りなど)も、関係づくりの一環として交際費に含められます。相手をオフィスにお迎えするときの茶菓子なども同じ考え方です。
- 「いつ・どこへ・誰を訪ねた」を記録しておく(領収書の裏や帳簿へのメモが手軽です)
- 通常の手土産(数千円程度の菓子折り等)であれば問題になりにくい
- 毎回高額になっている場合や頻度が極端に多い場合は、税理士への相談がおすすめ
- 個人的な訪問(友人宅・親戚宅など)の手土産は業務との関係がないため対象外
1人1万円を大きく超える贈答品は慎重に判断する
交際費は「常識的な範囲」での贈答であることが前提です。高級腕時計や高額な美術品、過剰なブランド品のような極端に高額な贈答品は、業務上必要な範囲を超えていると判断され、経費として認められないことがあります。業種や取引規模、相手との関係性、過去の慣行によって妥当な範囲が変わるため、一律に「いくらまでOK」とは言いきれません。接待ゴルフや飲食費など贈答品以外の扱いは、交際費はどこまで経費になるかの記事で整理しています。
一般的には、1人あたり数千円〜1万円程度が季節の贈答の社会通念上の範囲とされることが多く、取引先の規模や付き合いの深さによってもう少し上限が許容されるケースもあります。高額な贈答品を検討する場合は、金額・相手・贈った理由をメモに残し、後から説明できる根拠を整理しておきましょう。
プライベートな相手への贈答は経費にならない
交際費は「事業の遂行に必要な接待・贈答」であることが前提のため、個人的な付き合いの相手(友人、家族、親戚など)への贈答品は対象外です。
- 元同僚(現在は取引なし)へのお中元:取引関係が続いていない場合は対象外になる可能性
- 個人的に親しい先輩・知人(業務上の取引なし)への贈答:経費にならない
- 学生時代の友人へのお祝い:個人的な交際のため対象外
迷ったときは「この贈答が、自分の事業の売上や取引にどう関係しているか」を考えてみてください。関係が説明できないものは、業務との関連性が薄いと判断される可能性が高くなります。
まとめ|相手・金額・目的の3点で判断する
- 取引先へのお中元・お歳暮 → 季節のあいさつとして交際費にできる
- 訪問時の手土産 → 関係づくりの一環として交際費にできる
- 1人1万円を大きく超える高額贈答品 → 社会通念上の妥当性を確認する
- プライベートな知人・家族への贈答 → 業務との関連がなく経費にならない
相手は事業に関係する人か、金額は常識的な範囲か、記録を残せているか。この3つを意識すれば、贈答シーズンも安心です。牧野会計では、税務・会計顧問のなかで交際費の記帳・区分の整理を支援しています。自社の規模でどこまで妥当かを確認したい方は、無料初回面談でご相談ください。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する税務アドバイスではありません。記載内容は2026年6月時点の制度・税制にもとづきます。