源泉所得税の納期特例を使っている事業者にとって、7月10日は上半期分(1〜6月分)のまとめ納付の期限です。「何を集計すればよいか」「納付書はどう書くか」「遅れたらどうなるか」を整理します。
結論からお伝えすると、やるべきことは「集計→納付書の記入→納付」の3ステップです。集計の対象は支払日が1月1日〜6月30日の給与・賞与・退職金・士業報酬などから徴収した源泉所得税で、7月10日までに納付します。期限を過ぎると不納付加算税や延滞税の対象になるため、期限当日中の納付が安心です。
納期特例とは|年2回のまとめ納付
源泉所得税の納期特例とは、本来「徴収した翌月10日まで」に毎月納める源泉所得税を、1月〜6月分は7月10日、7月〜12月分は翌年1月20日の年2回にまとめて納付できる制度です。毎月の納付事務をシンプルにできる一方、1回の金額が大きくなるぶん、納付忘れのインパクトも大きくなります。
対象は給与の支給人員が常時10人未満の事業所で、事前に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署へ提出し、承認を受けている必要があります。「常時10人未満」は事業の実態で判断され、短期的に10人を超えてもすぐに対象から外れるわけではありませんが、継続的に超える状態になると見直しが必要です。
ステップ① 1〜6月分の源泉所得税を集計する
- 給与・賞与から徴収した源泉所得税
- 退職金から徴収した源泉所得税
- 税理士・弁護士・社会保険労務士など士業への報酬から徴収した源泉所得税
- 原稿料・講演料などから徴収した源泉所得税
対象は支払日が1月1日〜6月30日のものです。「いつ働いた分か」ではなく「いつ支払ったか」で区切ります。役員報酬・正社員給与・パート給与・賞与は同じ納付書の「給与等」欄で合算し、士業への報酬は「税理士等の報酬」欄に分けて記入します。
ステップ② 納付書(徴収高計算書)に記入する
税務署から届いている「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期特例分)」に記入します。主な記入欄は次のとおりです。
- 納期等の区分:上半期分は「自 26.01」「至 26.06」
- 支払年月日:1月〜6月の最初と最後の支払日
- 人員:6か月間の延べ人数(毎月の支給人員の合計)
- 支給額:6か月分の支給額合計
- 税額:6か月分に徴収した源泉所得税の合計
e-Taxでダイレクト納付する場合は、納付書の記入ではなくデータ送信になります。e-Taxは深夜・土日でも受付可能です。用紙の納付書がない場合は税務署で再交付してもらえます。
ステップ③ 7月10日までに納付する
- 金融機関の窓口・税務署の窓口(納付書持参)
- e-Taxのダイレクト納付(事前の銀行口座登録が必要)
- インターネットバンキング(Pay-easy経由)
- クレジットカード納付(国税クレジットカードお支払サイト・別途決済手数料)
- コンビニ納付(QRコードまたはバーコード付納付書・30万円以下)
7月10日が土日祝に重なる場合は翌平日まで延びます。2026年の7月10日は金曜日のため、そのままの期限です。
納付が遅れた場合|不納付加算税と延滞税
期限を過ぎると、不納付加算税(税務署から告知される前に自主的に納付した場合は5%、告知された後は10%)の対象になります。ただし1か月以内に納付し、過去1年間も期限内に納付できていたなど、一定の条件を満たすと加算されない取扱いもあります。あわせて、期限の翌日から納付日までの日数に応じて延滞税が発生します(税率は時期により変動)。少しの遅れでも上乗せが生じることがあるため、期限内の納付が安心です。
まとめ|集計・記入・納付の3ステップで期限内に
7月10日は源泉納期特例だけでなく、算定基礎届・労働保険年度更新も重なる集中締切です。早めの段取りで慌てずに乗り切りましょう。牧野会計では、税務・会計顧問のなかで源泉所得税の集計・納付管理までを支援しています。納付事務に不安がある方は無料初回面談でご相談ください。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する税務アドバイスではありません。記載内容は2026年6月時点の情報・税制にもとづきます。